2006-12-16 超短編『電話』 おなかが空いたので、雑炊を作ります。 土鍋に、といだお米と昆布と水と、しめじと厚めにスライスしたタマネギを入れて、とにかく火にかけます。 火が通ったら、塩としょうゆとみりんで味をつけます。 最後にといた卵をざあっと入れて出来上がり。 あさつきを散らしてもいいけれど、入れすぎると妙な具合になるから気をつけること。 それだけを、一方的にまくし立てると、電話は切れた。 お腹が空いている自分に気がつく。 いたずら電話め。と、受話器を睨みつけてから、私はいそいそとお米をとぎ始めた。