超短編『電話』

おなかが空いたので、雑炊を作ります。
土鍋に、といだお米と昆布と水と、しめじと厚めにスライスしたタマネギを入れて、とにかく火にかけます。
火が通ったら、塩としょうゆとみりんで味をつけます。
最後にといた卵をざあっと入れて出来上がり。
あさつきを散らしてもいいけれど、入れすぎると妙な具合になるから気をつけること。


それだけを、一方的にまくし立てると、電話は切れた。


お腹が空いている自分に気がつく。
いたずら電話め。と、受話器を睨みつけてから、私はいそいそとお米をとぎ始めた。