超短編『分からない』

 サカハクス。
 見慣れたサイトのタイトルが、おかしな風に変わっていた。
 意味も分からなければ、そもそも言葉自体が分からない。何語か?
 構わずに入り口をクリックする。
 ほんの少しのタイムラグがあって、表示されたページはやはり見慣れたものだった。
 見間違いだったのかもう一度表示させた入り口はちゃんと見慣れたタイトルで、どこの国の言葉か、そもそも意味のある言葉なのか分からないなんていうことはなかった。
 更新されてもいない。諦めて、いつも巡回しているサイトを順に巡る。巡り終えると深夜になっている。
 最後にメールをチェックした。
 差出人、サカハクスからメールが届いていた。
 一瞬、躊躇したものの好奇心に勝てず、メールを開く。
 文字化けとしか思えないような、カタカナの羅列だった。コンピュータウィルスにでも感染したのかと思ったが、チェックをしても検知されない。
 仕方なく、そのカタカナの羅列を読んでみた。


 ミマスホシワスキココモノシバリリルハモシノデツ
 ノクリノココリハモワテノクシヒキテリノササセス
 イセフキノモモキニヒセテモシワワリセヒノテモキ
 ミステノハテグセセナニコリテテノリスシオキオオ
 エタミセノセノクホラエエウキテスノノシセモヤハ
 ネノネネフエリルクレモノホセノクイエアデンセル
 ココエデノモセオシデセノヒミテマレテイイデスカ


 まったく分からなかったのに最後の部分だけが問いかけられているように読めて、一体何を問いかけているのか、それとも偶然そのように表記されてしまっただけなのか、さっきからずっと考えているが分からない。