絶え間なく風が吹き抜ける晩だった。軒先に吊した風鈴が鳴り続けている。 窓から外をのぞけば、雲の向こうに滲んだ月が。どこかの家から赤ん坊の夜泣きの声、そしてあやす声が聞こえてくる。 夜はまだ明けず、取り残されたように眠れず、ひたすらに夜泣きの…
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