2007-03-03 超短編『逃走中』 今や完全に追われる立場だった。少し前まで、立場は逆だったのに。 あの、砂浜に差し掛かったところでためらったのがいけなかった。 波が靴を濡らしたが走り続けた。 桃色の雲ばかりがきれいだった。