連続超短編『二月めぐり』9
兎の真似をして、誰にも会わずに本を読んで、あとは一日空でも眺めて過ごしてやろう。と、思い立つ。
でも、おなかが空いた時のために、マフィンを用意してみた。
マフィンだけをもそもそ食べるのも寂しいと思い、マフィンを食べる時にお茶が飲めるようにと、湯を沸かし保温ポットに入れた。
まだまだ寒いので、薄い毛布を一枚。
首が疲れるので、クッションをひとつ。
それから、あと、必要なものはなんだろう、もうないだろうか。と、そこまで考えて、兎のようにはいかないものだなと苦笑する。
そして、雪のために結局空ではなく、雪を眺めた。