連続超短編『二月めぐり』10

 昨日降った雪を少し集めて、雪兎を作った。
 そこへ兎が通りかかり、僕が雪兎を紹介するより早く、ものすごい勢いで雪兎をつかむと、まるでボーリングでもするようなフォームで雪兎を吹っ飛ばしてしまう。
 一体どうしてまた、そんなことを。と、言おうと思う間もなく、雪兎は雪の上をぴょこぴょこ跳ねて雑木林の中へ行ってしまった。
「素晴らしい出来映えでした」と、兎に褒められた。