短編『二人』
ひらがなの余韻を含ませて思わせぶりに君が笑う
言葉の奥の静かな矛盾にいつの間にか引き寄せられて
僕は言葉を失くしたまま何も言えず君を見る
君は笑う僕には理解できない理由
高く晴れ渡った寒い空色が君に降りて僕に降り注ぐ
君は僕に話し続ける
梢の上の鳥のさえずりあるいは風に揺れる風鈴
流れるように転がすように
僕は黙って君を見る君の言葉に嘘はない僕には言葉さえもない
だから僕等に終わりはない
響く余韻はいつだって君の口から零れ出る途切れ途切れのひらがなばかり
退屈とは少し違う
つ め た い つ ま さ き
ゆ き の て の ひ ら
断片的に僕に届くさえずるように君の声
それは僕には解らない言葉
は る の こ も れ び
ひ る が え す か ぜ
知っていてそっと遠ざける気が遠くなるほどの心地良さ
知り尽くすことのできない僕等
いつしか明瞭な君の言葉
僕の言葉は風の中かき混ぜられてその後は
見上げた先の空の上舞い上がってはかなく遠く
君は少しも気にかけず
だから僕等に終わりが無い
知っている繰り返すそのもどかしさ
君には見えているはず
おそらくは僕の見ている夢の音
旋律 彷徨 いつまでどこまで
滲んだ色彩輪郭は失われ君も僕も一色の同じものになっていく
繰り返すその心地良さ
君は僕に話し続ける
ひらがなの余韻を含ませて
ひらがなの余韻を含ませて思わせぶりに君が笑う
言葉の奥の静かな矛盾にいつの間にか引き寄せられて
僕は言葉を失くしたまま何も言えず君を見る
君は笑う僕には理解できない理由
高く晴れ渡った寒い空色が君に降りて僕に降り注ぐ
君は僕に話し続ける
梢の上の鳥のさえずりあるいは風に揺れる風鈴
流れるように転がすように
僕は黙って君を見る君の言葉に嘘はない僕には言葉さえもない
だから僕等に終わりはない
響く余韻はいつだって君の口から零れ出る途切れ途切れのひらがなばかり
退屈とは少し違う
つ め た い つ ま さ き
ゆ き の て の ひ ら
断片的に僕に届くさえずるように君の声
それは僕には解らない言葉
は る の こ も れ び
ひ る が え す か ぜ
知っていてそっと遠ざける気が遠くなるほどの心地良さ
知り尽くすことのできない僕等
いつしか明瞭な君の言葉
僕の言葉は風の中かき混ぜられてその後は
見上げた先の空の上舞い上がってはかなく遠く
君は少しも気にかけず
だから僕等に終わりが無い
知っている繰り返すそのもどかしさ
君には見えているはず
おそらくは僕の見ている夢の音
旋律 彷徨 いつまでどこまで
滲んだ色彩輪郭は失われ君も僕も一色の同じものになっていく
繰り返すその心地良さ
君は僕に話し続ける
ひらがなの余韻を含ませて