超短編『あわてる』

電車に乗った。
しばらく走っていくと車内放送が入る。
『間もなく、△△駅に到着します。お出口は右側です』
間を置かずに、英語のアナウンス。
『next station is △△.the door is right side will open.』

その、右側のドアの前に小さな女の子が立っていて、小さな桃色のリュックに上着をしまっている。
あわててしまってなかなかリュックの口が閉まらない。

「ああ、大変。ライトサイドがウィルオープンなのに」
女の子は、小さな声で呟いた。