超短編『森の夢』

窓から校庭が見えた。
校庭では、大きな男が一人、驚くべき速度で地面を耕し、みるみる木を植えていく。
子供が運動したり遊んだりするべき場所は、まるで森のようになってしまった。
呆気にとられて見ていると、木を植え終わった男は、花壇に花を植え始めた。
殊更優しげな手つきで、あっという間に植え終わる。


ああ、これで大丈夫だ。
何故かそう思った。