2006-11-30 超短編『読書』 頁を繰ると、びょうびょうと音がする。 はじめは気にもとめなかった。 けれど、する。頁を繰る度に音がしている。 顔を上げると、今まで読み進めた活字が頁からこぼれ落ち、窓辺に吹き溜まっていた。