超短編『喜び』

草に朝露がたまっていて、重力に引き寄せられ雫となって落ちようとしている時、まるで奇跡のように太陽の光が射し、ただの水であるはずのそれは、光の粒になり、ちぎれるように地に落ちてすっと吸い込まれる。
それを目にとめて、じんわりとした笑顔を零すあなたに気がついたことの喜びを。