超短編『頭蓋骨を捜せ』

 わたしは、小さい。
 わたしは、乾いている。
 わたしは、魂を持っている。
 わたしは、口をきくことができない。
 わたしは、人を呪う事をよしとはしない。


 わたしは、頭蓋骨を捜している。
 わたしは、うまくものを考える事ができない。
 わたしは、抜かれてしまった頭蓋骨を探している。
 わたしの、頭の中には小さな石ころがひとつ入っている。
 わたしの、頭蓋骨がもしわたしの元へ戻る事があるならば。
 わたしが、人を呪い殺さなければならないという呪いを解く事ができる。


 わたしの、頭蓋骨を捜し出してくれたのならば。
 わたしは、あなたのことを呪い殺す事ができなくなる。


 あなたが、生き残るためにはこの呪いを解かなくてはならない。

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『500文字の心臓』参加作品

○=4 ×=1

あまりにも思いつかず、妙な詩みたいなものしか書けなかった。
しかも、思いついたのが、干し首だし。
干し首の本来的な使い方(?)ではないので、干し首の存在を初めて知った時の勝手なイメージなんだけれども。
もし自分が干し首にされちゃって、なおかつ自我があったら、こんな断片的なふうにしか考えられないような気がしてこんな書き方になりました。
でも、こういう、書いた時の書き手の状況とか心づもりなんて、読んでいる人には関係ないわけで、こういうの書くのは蛇足なんだろうかー。


ところで、スクリーンヒーローの時と評の数が一緒。
入れてくださった方が違うんだけど。(ん?あれ?前の集計結果が表示されなかった)